目次
①不妊治療のために冷え体質を改善したい
患者
30代女性
症状と来院理由
若いころから末端冷え性がある。水仕事をすると、手があたたまらない。寝るときも手足が冷たい。お腹も冷たいため、血流が悪いと思い、漢方を飲んだがそれほど効果を感じない。冷えを改善することで、不妊治療に良い効果が出ることを期待し、来院。
治療内容と経過
初診時:問診通り、お腹がとても冷えて張っていた。足の冷えも、ご本人は左右差は感じていなかったが、触れると左足の方が右足より冷えていた。腹部をゆるめ、全身をあたためるために、足首と、ひざの近くに鍼をした。足首に鍼をすると、すぐに足の親指に温かさを感じた。しっかりと腹部を緩ませたいため、鍼をして10分ほど安静にしていただく。お腹がふわふわとやわらかくなり、あたたかくなった。足先にもふわーっとあたたかさが来ていたため、施術を終えた。
2診:お腹は前回硬かった部分は、柔らかい状態を維持していた。他にまだ硬い部分があったので、足のすねのツボにはりをしたところ、全身ふわふわとあたかかくなりった。足の指は赤くなるほど温まりを感じた。
3診:施術3日ほど、おなかのあたたかさが持続しており、身体的にもとても楽であった。足先の冷えが改善したため、以前感じていなかった太ももの冷えを感じるようになる。同様の施術をする
4診:身体が芯から冷えることはなくなった。靴下をはかずにいられることもあった。同様の施術をする
5診:足の冷えやお腹の冷えを感じなくなった。数日後に、体外受精の移植をする予定なので、同様の施術をする。
7診:妊娠の報告をうける。
その後、来院が難しいほど、つわりが重くなってしまった。臨月にご連絡をうけ、その後、無事妊娠が継続していたと報告を受けた。
考察
全身の冷え、腹部の硬さをとることで、血流がよくなった。身体が温かい状態を維持できるようになったことが、不妊治療に良い影響を与えたのではないかと、推測される。
②お腹が大きくなり、右の足の付け根がいたい。仰向けで腰が痛くて寝れない。
患者
30代女性
症状と来院理由
25週で、お腹が大きくなってきたら、右の足の付け根が痛い。仰向けで、足を延ばすと腰が痛くて、寝づらい。知人の紹介で来院。
治療内容と経過
初診:触診すると、右足の付け根の緊張がとても強かったため、足先に鍼をしたところ、仰向けで足をのばしても痛くなくなった。全体的にお腹の張り感があったため、手とひざ横に鍼をしたところ、お腹がゆるんで、呼吸しやすくなり、とても身体が楽になった。
2診:お腹の張りは2,3日良かった。足も伸ばして寝られるようになり、ぐっすり眠れるようになった。同様の施術をして、様子をみることにする。
考察
お腹が大きくなったことを支えるために、そけいぶに負担がかかりすぎたのが要因と思われる。足先という遠隔からしっかりゆるめることにより、良い状態が維持できるようになったと思われます。お腹の張り感が強いと、呼吸が浅くなり息苦しいなることも多いです。つい妊娠のせいかと思われがちですが、お腹がやわらかくなると息苦しさも改善することも多いです。