めまい・メニエール症例

1.常にふわふわ、ふらふら、天気が悪いとグラグラするめまい

患者

40代女性

症状と来院理由

3年前に回転性めまいと、耳鳴りの症状がでた。その後、回転性は収まったが、常にふわふわ雲の上にいるような感じがある。時々、ぐらぐらと地震のようなめまいがある。脳外科、循環器科では問題はない。気圧が低いと目の奥がズーンと痛くなり、めまいもひどくなる。夜勤明けは特にふらふらが強い。首肩こりも強く感じている。薬、漢方薬「苓桂朮甘湯」もあまり効果を感じられないため、来院。

治療内容と経過

初診:首と頭の境目や、肩、おなかに強い緊張と冷えがあった。首と頭の境目をゆるめるために、足首にはりをした。おなかをゆるめるために、ひざの内側と、足首に鍼をした。お腹はあたたかく、ゆるみ、それに伴って首肩こりも軽くなったので、施術を終了とした。

2診:ふわふわめまいはあるが、グラグラのめまいは、減った。首のコリも減った。低気圧があったが、目の奥がズーンとなる症状もなかった。背中にも冷えがあるため、ゆるめるために、ひざの近くに鍼をする。身体の温まりを感じる。

6診:ぐらぐらはほぼなく、ふわふわも減ってきた。夜勤明けでもふらふらすることはない。生理痛が重く、生理2,3日前から生理2日目まで痛みがある。生理開始から3日間、一日3回薬を飲んでいた。今回、一度も薬を飲まずに済むほど痛みが軽減していてびっくりしたとのこと。生理痛改善に使うツボと肩こりはつながっているため、複合的効果が出たものと思われる。仕事柄、重いものをもつため、ひじの負担から、首の付け根に緊張がきていると推測された。ひじのツボにはりをし、しっかりと首の付け根をゆるめた。

14診:ふわふわもくらくらもほとんどなく、爆弾低気圧の影響も受けなかった。

15診:症状が安定しているため、施術を終了とした。

考察

仕事柄、重いものをもつことのひじの負担が頭の付け根を緊張させ、めまいの要因となっていたと考えらえれる。腹部や、背中もとても冷たく、血流が悪く、それが首肩こりにつながっていたと考えられた。日常の負担から、首肩を緊張させる要因を見つけられたことがめまいの改善につながったと思われる。

2.常にふわふわ、壁につかまらないと安定して歩けないめまい

患者

30代女性

症状と来院理由

2年前の出産後より、めまいがある。毎日ふわっとしていて、壁につかまらないと安定して歩けない。クラっと来たりする。動悸も半日ほど続く。不安感、うつ症状もある。MRIでは、頚椎が狭くて、「大後頭神経三叉神経痛症候群」と診断された。毎日具合悪く、起きていられない。「抑汗散」を処方されているが、効果は感じず、病院ではない方法を探し、来院。

治療内容と経過

初診:非常に顔色も悪く、動くのもつらそうであった。身体に触れると、非常に腹部が硬かった。呼吸に関する背中にも緊張が強かった。

足のツボと、頭に鍼をした。施術後、物が二重に見えていたが、普通に見えるようになった。身体がすっきりしたとのこと。

2診:ふわっとしためまいは消失した。施術後、動悸は良かったが、だんだんと出てきた。不安感は、落ち着いた。とても顔色が良くなった。「首から背中、腰に掛けて、広範囲に凝っている気がする。ふわふわしないため、動けるようになって、うれしい」とのこと。腰と肩をゆるめるために、手のツボと、肩甲骨近くのツボに鍼をした。引き続き、お腹を緩めるはりをした。

3診:動悸はなくなり、めまいもない状態のままを維持できている。仰向けになると首と肩のつながっているところが痛い。お腹が下ってはいないがぎゅるぎゅるしている。首をゆるめるために、お尻にはりをした。引き続き、お腹を緩めるはりをした。

4診:首もお腹も落ち着いた。身体の調子は良い。症状が安定しているため、予防で、同様の施術をし、様子を見ることにする。

考察

産後に、お腹の緊張が強く残っていたことが、様々な症状を引き起こしていたと考えられる。お腹の緊張があると、首肩の緊張につながる。それがふわふわとしためまいを起こしていたと推測される。原因がはっきりしていたため、早期改善につながった例である。

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