目次
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1.常にスッキリしない体調と、朝起きて、床に足裏がつくとビリっとする症状
患者
40代女性
症状と来院理由
1か月前に底の薄い靴でウォーキングをした。その後、朝起きた時に、ベッドから床に足が着くと足裏、とくにかかとにビリっと強い痛みがあるようになった。ちょっと歩くと収まってくる。仕事が立ち仕事なため、ふくらはぎが常にパンパンで、押すと筋肉痛みたいに痛い、指は入らないほど硬い、だるい。整骨院に数か月通っているが、変化がないため、来院。
治療内容と経過
初回:足に触れると、足首からふくらはぎの下の部分が非常に緊張していた。お尻にも強い緊張があった。ふくらはぎの緊張をゆるめるために、肩甲骨と腰に鍼をした。ふくらはぎのやわらかさを感じていただき、施術を終了とした。週1回ペースで続けることとする。
2回目:施術の次の日、足は軽く痛みは少なかったが、2,3日でもとに戻った。ふくらはぎは、柔らかい状態を維持していた。身体のだるさはとれている。同様の施術に加え、手首のツボからもふくらはぎをゆるめ、肩のツボから足首をゆるめた。
3回目:朝、右足は痛くなくなった。左が若干痛いが、痛み自体はかなり軽減している。朝、すっきりとした体調になった。同様の施術をする。
4回目:朝の痛みは、非常に薄く弱くなり、日常的に問題ないとのことで、施術を終了とした。
考察
ふくらはぎの緊張が寝ている間もゆるみきらなかったのが要因と考える。整骨院では、直接ふくらはぎをマッサージをしたり、電気をかけてくれていたとのこと。ふくらはぎを緊張させている原因が、ふくらはぎではなく、手首や肩だと見極めたことが、早期改善につながったと考えらえる。常に余分な緊張があったことが、身体の回復を妨げ、なんだかすっきりしない体調につながっていたと思われる。
2.30年前からのパニック障害
患者
50代女性
症状と来院理由
20歳頃に初めてパニック障害の症状が出た。心療内科に行って服薬するが症状は変わらない。半年に一度ほど、症状が出て、一度起きると頻回に起こる。一か月前に症状が出てから、ほぼ毎日発作が起きて全く収まる気配がなく、困っている。症状としては、動悸がして、血の気が引き、全身だるくなる。夜の知らない道や、天気の良い雪道でも起こりやすい。首肩こりがあり、後頭部の頭痛もある。家族の友人が当院に通院していて、その紹介で来院されました。
治療内容と経過
初回:背中の肩甲骨の間の緊張がとても強くあり、動悸と関係するため、手首に鍼をして背中をゆるめた。お腹の緊張も強く、手や足のツボにはりをした。最初は、はりが怖く、緊張されていたが、施術後は「とても力が抜けて、呼吸がしやすく楽になった」と笑顔がみられた。週1回ペースで続けることとする。
2回目:前回終了後、2,3日はあまり症状に変化がなく、発作はあった。4日目から7日は発作が起きなかった。「施術したら大丈夫だと思いこむタイプだから、最初はダメだったなと思ったのに、発作が起きなくなったので、これは気持ちの問題ではなくて、体がよくなったんだと実感している」 同様の施術をした。
3回目:前回終了後、一度も発作はおきなかった。頭痛もほぼ起きず、強い薬を飲んでいたが飲まずに済んでいる。同様の施術をする。
4回目:前回終了後、一度発作は起きたが、とても症状は軽かったし、悪条件が3つ重なっていた。頭痛はおきていない。同様の施術をする
5回目:前回終了後、発作は一度も起きていない。症状がかなり軽減しているため、体調を安定させるために、施術間隔をのばすことにする。仕事の負荷が大きいため、良い状態を保つため、月一回の施術を継続している。
考察
背中の緊張が強く、動悸やパニック発作、頭痛につながっていたと考えられました。ストレスからくるお腹の緊張もあったため、同時にゆるめたことが、早期改善につながったと思います。
3.寝るときに肩が寒くて寝付けない冷え性
患者
40代女性
症状と来院理由
手足、特に足や膝回りが冷たい。寝るときに肩が寒くて寝つきが悪く、夜も起きてしまい、睡眠がとれている気がしない。そのため、朝もすぐ起きられない。常に腹巻を2枚重ね、靴下も2枚履いている。体調の悪さを改善したく、ネットで調べ、来院。
治療内容と経過
非常に肩の緊張が強く、手足お腹、お尻も冷えている。
初回:肩の緊張を緩めるため、お尻のツボに鍼をしたところ、足があったかくなる。背中の緊張も強く、呼吸が深く吸い込めず、血流の悪さと関わってくるため、手のツボを使って緊張を緩めたところ、全身があたたかくなる。週1回ペースで続けることとする。
2回目:寝るときに肩が寒いのはなくなり、良く寝れているため、すっきり目覚める。身体の調子がぐんっとあがったが後半なだらかに落ちてきた。お腹はあたたかく、消化が良い。下腹部が冷えていたため、足のツボに鍼をしたところ、足を中心に身体全体があたたかくなる。お尻にはりをしたところ、頭から指先まで温まり、顔が火照るほどあたたまる。
3回目:常に履いていたもこもことしたブーツを履かなくても大丈夫だった。5日目ぐらいから首の緊張を感じるようになる。同様の施術をする
6回目:お腹が冷えてくると調子が崩れてくるが、今はお腹の冷えが戻るようになってきた。冷えの質も変わってきた。鍼をしていると、遠赤外線にあたっているような温まりを感じる。
7回目:1週間調子よく過ごせ、分厚いウールの靴下も普通の靴下で大丈夫になった。調子がよいので、同様の施術をし、終了とした。
考察
お腹の緊張が強く冷えに関係していた症例。お腹の緊張を緩め、腹部があたたまることで、全身の血流がよくなり、首肩の冷えもとれ、よく眠れることでまた全身の緊張も緩み、と良い連鎖が起こったのが、冷えの改善につながったと考えられる。登山が趣味だったが、普段の疲労感が取れず、行くことすら考えられなかったのが、登山をしにいきたくなり、来週行く!と笑顔で語っていたことがとても印象的でした。
4.常に手足が冷たく、首肩こりもひどい冷え性
患者
30代女性
症状と来院理由
学生の時から、首肩こり、肩甲骨まわりのコリがひどく、後頭部頭痛がある。猫背で巻き肩のせいではないかと思っている。手足も冷えている。家族が通院しており、勧められて来院。
治療内容と経過
触れると手足がとても冷たい。首の動きが悪く、左右両方ともあまり横を向けない。
初回:首の緊張が強く、呼吸が浅くなっているため、全身へ血流を送り出しづらくなっていると考え、手に鍼をしたところ、首は左右両方とも横を向けるようになった。冷え症の方に特有の、ひざの内側のツボがとても緊張していたため、鍼をしたところ、両手足あたたかくなる。さらにひざ内側を緩めるために、背中に鍼をしたところ、首肩がふわふわになり、身体もあたたまったため、施術を終了とした。週1回ペースで続けることとする。
2回目:首肩はすごく楽になり、一週間いい状態を保っていた。頭痛もなく、冷えも以前ほど気にならない。いつも左重心であることより、お尻とふくらはぎに鍼をして、身体のバランスを整えたところ、手足があたたかくなる。前回同様に、ひざ内側を緩める施術をする。
3回目:日中寒く感じることは半減した。頭痛も首肩こりもない。左股関節が昔から硬く、あぐらをかいても高さが違う。股関節を緩める施術をしたところ、足があたたかくなる。手首を冷やさないようにお伝えする。
4回目:手は冷たくない、足が若干気になるくらいで、かなりよい。いつも花粉症に悩まされる時期だが、まだ大丈夫とのこと。
5回目:手も足も冷たくない。花粉症は今回、鼻水も肌荒れも起きず過ごせてとても楽だったとのこと。手足の冷えがなくなっているので、施術を終了とした。
考察
首肩、ひざ内側、左股関節など身体の緊張が強い部分がいくつかあり、血流の循環がうまくいっていなかったことが、手足の冷えの原因だったと考えられる。緊張を緩め、重心や、股関節の動きを整えることで、緊張の起きづらい身体になり、手足の冷えは改善していったと推察される。血流の循環と花粉症は強く関係があるため、主訴とは別によい結果となり、良かったと思う。「学生の時からの首肩こり、頭痛がなくなって、本当にうれしい!」と喜ばれていて、よかったです。
5.足先が冷たくてサンダルがはけない冷え性
患者
50代女性
症状と来院理由
3年前から足先が冷えるようになり、夏にサンダルを履けない。上半身は暑いのに、下半身の特に足先と太ももが冷たい。床に足をつけると冷えがひどくなるため、台所仕事がつらい。寝るときは足先は暑くなる。
鍼(はり)治療が冷えに聞くと、友人に聞き、来院した。
治療内容と経過
肩こりが左にあり、足先の冷たさも左のほうが強く感じる。「特に冷たく感じる部分は、土踏まずの上から指先までの部分とのこと。週1回ペースで続けることとする。
初回:ふくらはぎの緊張が強かったため、ふくらはぎと仙骨のツボに鍼をしたところ、すぐ右足は暖かくなり、左足は指以外の部分までは、温まりを感じた。
2回目:冷えは施術前が10とすると8に軽減したとのこと。手・手首のツボに鍼をしたところ、足の指先まで温かさを感じるようになった。腹部の緊張もあったため、全身の血流を良くする目的で、足のツボに鍼をした。
昔からあった左の肩こりは軽減した。
3回目:すごく冷たくなるようなことはなくなった。車の運転中にいつも左足が冷たかったが、それはもうなく、太ももの冷えはない。全身の血流をよくするため、呼吸が深くできるように手のツボに鍼をしたところ、指先まで温まり、「最初より身体が温かくなるのが早くなったように感じる」とのこと。「指先は暑いぐらいになったが、かかとの冷えがまだある」とのことなので、手の甲に鍼をしたところ、かかとも温かくなった。
4回目:太ももや足先の冷えが改善し、足の外側、小指側の冷えが気になるとのこと。仙骨や、ふくらはぎのツボを使って足の外側の冷えの緩和を狙った。冷えが減り、サンダルが履けるようになったため、施術を終了とした。
考察
ふくらはぎの緊張が強く、足先末端まで血流が行き渡りづらくなっていたのが、冷えの原因と考えられた。ふくらはぎ、仙骨のツボを使ってふくらはぎをゆるめ、緊張を戻りづらくしたことが、冷えの改善につながったと考えられます。4診目にサンダルを履いて、「ほら、大丈夫。サンダル履けるようになったよ!」と見せてくれたのがうれしかったです。
6.慢性副鼻腔炎で、匂いがわからない
患者 50代女性
症状と来院理由
3年目にストレスが多くかかり、副鼻腔炎になった。抗生物質でよくなったが、その後は年に2、3回副鼻腔炎を繰り返した。1年半前から、匂いがわからなくなり同じ治療をしたが、薬が効く期間が短くなり、すぐ副鼻腔炎の症状が出るようになった。もう10ヶ月匂いがわからず、嗅覚障害と診断された。2ヶ月ほど、鍼灸院に通い1週間に一度くらい匂いを感じる瞬間があった。他の鍼灸を試したいと来院された。
治療内容と経過
初診:首から肩にかけてと、肩甲骨周りが固い。特に、首の奥深い部分に固さがありました。首肩が固いと頭部の熱が背中に抜けづらく、鼻の症状が出やすくなる事が多いため、首肩をやわらかくするために足に鍼をしました。週1回ペースで続けることとする。
2回目:初診後、1日の中で数回匂いを感じる事が数日続いた。同様の治療をしました。
3回目:2回目後、1日1回は匂いを感じるし、強い香りではなく、ご飯を盛るときにご飯の炊き上がりの香り、ヨーグルト、きなこの匂いも感じた。いつも朝2時間くらい鼻水が止まらなかったが、最近は朝の鼻水が少なくなってきている。右足の2、3指が血色が悪く、お風呂上がりもこの2本だけすぐ色黒くなるということに着目し、冷えをとるために、肩甲骨周りに加え、お尻に鍼をした。施術後、首肩がとても軽く感じるとのことでした。
4回目:3回目の次の日は、1日長く匂いを感じられた。そのため、食事が味濃く感じられた。朝の鼻水はなくなった。肩甲骨の間と、足先に鍼をしたところ、体がとてもあたたかくなり、首肩もとても軽いとのことでした。
5〜9回目:忙しい日が続いたり、治療間が空いたりもあり、良い日悪い日などを繰り返す。同様の治療をしている。
10回目:匂いを感じている時間が長くなった。優しく香るアロマの匂いも感じる。かかとが冷たいので、かかとの血流を良くするために、お尻にはりをしたところ、踵から足指、足の甲まで、ほかほかになる。
11回目:2週間空いたが、悪くなってはいない。匂いを感じることに慣れたのか、匂いを感じたときに感激しなくなった。匂いが日常的になったため、施術間隔を2週間にあけてみることにした。
12回目:匂いは常にあり、味の濃い薄いがわかるようになってきた。
13回目:2週間空けても、匂いのする状態が安定しているため、施術を終了とした。現在は、月一度肩こりなど、体のメンテナンスの通院している。
考察
運転時間が長く、姿勢が固定されるため、肩甲骨周りや、お尻、アクセル・ブレーキを踏んでいる右足の血流が悪くなっていた事が、首肩こりを引き起こし、鼻の症状につながっていたと考えれらます。匂いがしないと食事が楽しくないし、料理するのも味が分かりづらく不安とのお悩みだったので、安心して料理ができると笑顔になっていかれて、よかったです。
7.半年、朝1時間以上痛みで動けない後頭神経痛
患者 40代女性
症状と来院理由
朝起きると、首と頭の付け根、左側頭部から首の後ろから肩にかけてビーンと突っ張るような激しい痛みがあって、枕から顔を起こすこともできない。ロキソニンをまず飲み、痛みが和らぐまで1時間かかり、やっと起き上がれるようになる。それでも痛みはなくなってはいない。薬がきれると激痛になるため、薬が切れないように服薬している。脳神経外科では脳に問題はなく、神経痛なので温めるようにしか言われない。半年もそのような状態が続き、何かないかと探し、鍼灸治療を試してみようと、来院されました。
治療内容と経過
初診:首肩が非常に固く、首を左右横に向くこと、上を見上げることに痛みを伴い、ほとんどできない。特に左耳後ろの付け根に痛みが走る。強い首肩こりが頭痛を引き起こしていると考えました。首の深いところの固さをとるために足のツボを使い、首から肩にかけての硬さをとるために、肩甲骨の近くに鍼をしました。肩の軽さを感じ、上を見ることはできるようになり、左右も鍼する前より向けるようになりました。痛みが強いため、週2回の施術を提案しました。
2回目:初回後、次の日の朝は逆に強い痛みが出た。2日目、3日目の朝は痛みなく、普通に起きる事ができた。日中も痛みはないので、2日目からロキソニンは飲んでいない。首の突っ張り、違和感はある。前回同様、首の動きをよくするために、手や足のツボに鍼をする。
3回目:体調不良があり、2回目との間に11日ほど間隔が空いたが、体調不良の間も頭痛は起きておらず、首肩の痛みもほとんどなかった。首の動きはよく、下斜めに首をさげたときにツッパリを感じるという事だったので、改善のために手と膝の近くのツボにはりをしました。症状がない状態が長く続いているので、施術を終了としました。
考察
半年以上も薬を切らせない激痛だったのが、1度の施術で大幅に改善し、患者さんと共に筋肉の緊張がこんなに痛みを引き起こすのかと、驚いた症例でした。
8.舌の痺れ、口の中に苦い唾液があふれて辛い。
患者 50代女性
症状と来院理由
一年半前、変な味がするようになった。その後、大根の汁のような苦い唾液がじゃぶじゃぶ出てきて辛い。舌の左側がひりひりする。
口腔外科では、特に問題はなく、ストレスで自律神経のバランスが崩れているせいだろうと診断された。漢方などいろいろ試したが効果がなかった。一番軽い抗うつ剤が少し効果があったが、数ヶ月で効かなくなり、もう少し強いものにしたが、依存性が気になり、本当に辛い時だけにしている。
1年前より歯が浮いているような違和感もでてきたが、歯医者では問題はなかった。
食べてる時、何かに夢中になっている時は気にならないが、食べて誤魔化すと体重の増加が気になる。夜寝る時に一番ひどくなるため、なかなか寝付けず、不眠気味になっている。
確かに一年半前にストレスを感じる時期はあったが、それ以降はストレスのない環境と性格で
原因は思い当たらない。他に対策を探し、以前、突発性難聴が回復した経緯がある鍼治療を試してみようと来院されました。
かみしめる癖と、顎関節症がある。
治療内容と経過
1回目 左の肩甲骨周りが硬く、腕もパンパンに張っているが、身に覚えはない。頚周りや、耳の前、お腹に強い緊張があったため、ゆるめるために手に鍼をする。じゃぶじゃぶ出ていた唾液が減ったのか、苦い感じが薄れている。
2回目 前回、施術後、その日は苦味が薄まって過ごせ、ぐっすりと眠れた。すごく眠れた日は舌の痛みは取れていることが多い。逆に寝不足だと、起きた日は辛い。次の日にはいつも通りに戻っていた。肩甲骨周りに鍼をすると、舌のヒリヒリが薄くなった。頚肩周りをゆるめたところ、施術後、舌のしびれはなく、苦味はうっすらに変わっていた。
3回目 夜までは調子が良くなってきた。浮き沈みがある。痺れは半分くらいに減ってきた。肩甲骨周りに鍼をすると、どくどくあふれていた唾液が止まり、じんわりとした苦味だけになった。食いしばりと関係のある腰のツボにに鍼をしたが、いつもこりが気になっていた箇所であった。施術後、苦味はほとんどなくなっていた。
4回目 日中はあまり気にならず、夜、特に寝る前にだけ出るようになった。夜、他にすることがなく、気にかけるとどんどん唾液が出てくる。施術室のアロマの香りが好きだということより、寝る前にアロマを枕元に置いて、意識をアロマに向けてみることを提案。肩甲骨の真ん中あたりに鍼をすると、苦い唾液は止まる。お腹を整え、肩周りを緩める鍼をする。
5回目 前回施術の次の日、日中も夜も調子がよかった。その次の日も苦くなりそうだったが持ち直し、平気だった。しびれはゼロじゃないくらいであまり気にならない。歯の浮いた感じもない。同様の施術をする。
6回目 前回後、二日間とても調子がよく、治ったかと思った。忙しい日があり、調子が悪くなったが、持ち直した。唾液の出方がどくどくではなくなった。舌のしびれはない。同様の施術をする。
7回目 調子が良い状態をキープしている。疲れた日の夜はまだ、唾液はでるが、どくどくではなく感じるくらいに量が減っていて、苦味ではなく、スースーする感じに変わった。調子が良いので、4日ごとの通院から10日後にしてみる。
8回目 2、3日調子が悪い日もあったが、その後回復して、少し舌の痺れと、変な味がする。
9回目 日中、症状はほとんど出ない。夜も出るか出ないか、出たとしてもやわらいでいる。薬の効きも良くなっている。
10回目 疲れた夜や、気にすると出るが症状が弱いので、日常的に問題はないのことでしたので施術を終了としました。
考察
左肩甲骨の周りが非常に硬く、鍼をすると、苦い唾液がとまるため、噛み締めによる頚肩こりが原因だったと思われます。「今はストレスのない生活をしているのに、ストレスのせいと言われるので不思議だった。」とお話されてましたが、ストレスがかかっていた時の体の緊張が残っていたとも考えられます。
9.動悸で薬が手放せなくなるのでは、と不安
患者
50代女性
症状と来院理由
半年前から動悸がある。夜中に動悸がして目覚めると、とても不安である。薬を飲むと動悸は収まるが、薬を手放せなくなるのかと不安がある。職場のストレスがあり、常に体も心も緊張している。重いものを持つ仕事のためか、朝起きると手がだるい、だるさで目覚めることもある。胃がキリキリしたりムカムカする不快感もある。睡眠も浅く睡眠不足もある。病院では問題ないと言われ、はり治療なら副作用もなく、体に良さそうと思い、HPを見て来院。
治療内容と経過(週1回施術)
初回:腕・首・背中・お腹がとても緊張している。ゆるめるために手足にはりをした。お仕事の腕の負担が大きいため、セルフケアとしてお灸をおすすめする。
2回目:初回の後、すごく良く眠れた。毎日測っている血圧がすごく下がっていてびっくりした。胃のキリキリはだいぶ良くなり、ムカムカだけになった。1週間、動悸はなかった。肘下のだるさは変わらず。手の疲れと胃の状態を整えるために、手足、頭に鍼をした。
3回目:左肘のだるさはなくなり、右肘だけになる。胃のムカつきは当日とても良く、その後徐々に軽くなっている。目覚めはとても良く、心配で飲んでいた薬を飲まずによくなった。動悸は起きていない。
4回目:ムカムカは治ったため、食欲が出てきて体重が増えてきたのが嬉しい。腕のだるさで起きることはなくなった。動悸は起きず、薬を飲まないでいられることがとても嬉しい。
5回目:動悸は一度あったが、とてもストレスがかかる用事があった日だった。いつもなら長く続き、夜も眠れないが、30分ほどで収まり、夜も薬を飲まずに寝られた。
6回目:動悸もなく、症状が安定しているため、様子をみることとし、施術を終了とした。
考察
腕の緊張と動悸は関係が深い。はり治療と、セルフケアのお灸の併用で仕事の腕の緊張の緩和をこころみたことが、悸の改善に影響したと思います。胃の不調が改善したことも睡眠に良い影響を及ぼしたと思います。
10.尿がたまると、おすそが痛い
患者
80代女性
症状と来院理由
半年前から、尿がたまるとおすそが痛い。泌尿器科に半年通院したが、症状は変わらない。膀胱炎ではないと言われる。婦人科も2軒いったが問題はない。半年前と違う泌尿器科に行って、抗生剤1週間と膀胱炎の薬を1ヶ月飲んでいるが変化はない。家族が通院しているため、来院。
治療内容と経過(週1回施術)
初回:下腹部、股関節周りに硬さがあるため、やわらかくする鍼を足にした。
2回目:鍼をした次の日の午前中は痛くなかった。昼くらいから段々と戻ってきたが、痛い時と痛くない時があった。
3回目:おすそが痛い時がたまにになった。痛みも前ほど痛くない。おりものもあったが減っている。
4回目:先週より調子は悪く、尿がたまると痛かった。ただ、先週から治療までの間に、リハビリ3時間ありかなり歩いたという日常の違いがあった。
5回目:痛い時、痛くない時があるが、痛みは前より減っている。
6回目:ほとんど痛い時はなかった。
7回目:尿がたまって痛いはなかった。排尿時に弱い痛みがある時がある。神経を使った日に痛みがある気がする。症状はだいぶ変化はしているが、体調維持も兼ねて、施術を継続することとする。
考察
下腹部、股関節まわりに筋肉の緊張がある。神経を使った日に痛みがでることから、体の緊張のせいでおすそに痛みがでるのではと推測されます。
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